日本最大の地熱発電所
火力発電は石油などを燃やして蒸気を作りますが、地熱発電は、化石燃料を全く使わず地下から取り出した蒸気を利用するクリーンな発電です。火力発電のボイラーの役割を地球が果たしているのです。地下の岩盤の中に閉じ込められ、マグマの熱で高い温度になっている地下水を蒸気井(じょうきせい)で取り出して発電に使います。蒸気を取り出した残りの熱水は、再び地下へ戻します。このように、地熱発電は、地熱という自然の力を利用した発電方法で、国内の資源を有効に活用しているのです。
蒸気井
地下深部の地熱貯留層から熱水と蒸気を取り出すための井戸です。この蒸気でタービンを回し発電します。
二相流体輸送管
蒸気と熱水が混じっている流体(二相流体)を蒸気井から発電所へ送る管です。
気水分離器(セパレーター)
蒸気井から二相流体輸送管を通ってきた蒸気と熱水混じりの流体を蒸気と熱水に分離する装置です。分離された蒸気はタービンへ、残りの熱水はフラッシャーを経由し、還元井により再び地下へ戻します。
タービン・発電機
タービンは、発電機を回すための羽根車で、蒸気の力で回る風車のようなものです。1分間に3,600回転で発電機を回し、電気を作ります。
冷却塔
復水器でできた温水を冷却させる装置です。この冷却水は、復水器に送られて蒸気を冷却する為に再び使用されます。
ダブルフラッシュシステム
気水分離機で分離した熱水をフラッシャーに導き、圧力を下げることでもう一度蒸発させ、その蒸気も発電に使います。このように、熱の有効利用を図るシステムを「ダブルフラッシュシステム」を呼んでいます。八丁原発電所では、このおシステムを利用し、出力を20%も増加させています。昭和55年度の機械振興協会賞を受賞しました。